皆さんは「栞(しおり)」の語源を知っていますか?
栞は「枝(し)折る」から来ています。長野は信州の寒村で、姥捨(おばすて)という所があります。かつて、あまりの貧しさに、口減らしのために、生まれてきた赤ん坊を縊る慣習があったことは、ご存知でしょうか?それと、人は老いると、皆の足手まといになるといって、山に捨てるということもあったといいます。俄には信じがたいことですが、それが「姥捨」という地名の由来です。
さて「枝折る」のことです。山に老婆を捨てるために、息子が自分の母親を背負っての道中、息子が帰り道を間違えないようにと、その母が道すがら目印の為に、枝を折るのだそうです。何ということでしょう。自分を捨てようとする息子の為に、死ぬ間際まで思いやる心。まさに、汲めども尽きぬ母の愛情とは、このことでしょうか。飽食の現代、多くの人たちに聞かせてやりたい話ですね。