菅総理の肝入りで始まった「東日本大震災復興構想会議」だが、初回会合で早くも暗礁に乗り上げてしまった。総理自ら、三顧の礼で特別顧問に迎えた哲学者梅原猛氏が「原発問題を考えずには、この復興会議は意味がない」と発言したのだ。総理にとって福島原発の事故の解決が不透明な中、触れては欲しくないテーマだったろう。梅原氏はもともと原発反対論者で、宮城県出身のこよなく東北を愛する人間である。就任を聞いて、私は大変な人を選んでしまったなと思ったが、時はすでに遅しだ。しかし私はこの会議の進め方には賛意を表したい。とにかく3月11日を境に世界は変わったのだ。既成の概念、文化、技術、思想のあらゆるものをリセットしないといけない。以前、2012年にはマヤ文明の暦が終わる話をこのブログに書いた。今回の大震災が、まさにその契機となったといっても過言ではない。つまりそれは、20世紀の科学技術の粋を象徴する原子力開発の終焉を意味しているのである。まさにそれを論ぜずして、この復興会議が意味がないとは慧眼である。