最も現在の政府に聞かせたい外交についてのみ書き写します。
正道を踏み、国を以て斃(たお)るるの精神無くば、外国交際は全(まった)かる可からず。彼の強大に畏縮(いしゅく)し、円滑を主として、曲(ま)げて彼の意に従順する時は、軽侮(けいぶ)を招き、好親却(こうしんかって)て破れ、終(つい)に彼の制を受るに至らん。
正しい道を踏み、国を賭けて、倒れてもやるという精神が無いと外国との交際はこれを全うすることは出来ない。外国の強大なことに萎縮し、ただ円満にことを納める事を主として、自国の真意を曲げてまで、外国の言うままに従う事は、軽蔑を受け、親しい交わりをするつもりがかえって破れ、しまいには外国に制圧されるに至るであろう。
この観点から言っても、尖閣諸島問題の今回の政府の処置は全く誤りなのです。