前項の水野先生の本を読んで非常に興味をひいた事がある。それは「不幸な成功者にならない心得」ということである。世に成功者とは一定の財力を自分のものにし、権力や地位、名誉をも手に入れた人の事を言うが、その人が即、幸せな人かというと一概にそうは言えない。それから、あまた成功本というものが本屋に山済みされているが、それを強固な意志力で完遂し、一定の成果を上げている人も少なくない。しかしそこに自己の願望実現に固執し過ぎるあまり、多くの代償を払っている人たちがいることも否定できない。自己実現と達成感の犠牲のことである。特にそれらは大抵、家庭的な側面に出てくる。それは夫婦の問題や親子の問題、社員との確執等に現れる。さらに不幸な事は、それを仕方が無いことと諦めていたり、無自覚な場合がある事だ。
それらを一挙に解決する方法がまさに
純粋倫理の実践にあると水野先生は言う。私も大いに共感するが、皆さんはいかがでしょうか。