5月である。寄居の山の木々の色も、萌黄色から深い緑になってきた。近隣の畑には、高く青い空に真新しい鯉のぼりが、ゆったりと泳いでいる。多分初孫ができたのだろう。先日の村上和雄氏のお話では、人類の誕生から38億年。母親の体内に胎児が宿り誕生まで38週間。この数字の一致は単に偶然ではないという。一億年が一週間。最初の一個の細胞が、生まれたての赤ん坊でも3兆個になるという。成人になるとそれが60兆個になるそうだ。これが神業ではなくてなんであろう。気の遠くなるような奇跡の重なりが、一個の生命(いのち)である。おかげさまで私も昨年の夏、初孫を授かった。何と愛しいものか。