女性宮家の創設の議論が出ている。これには賛意を評したい。私は遅いくらいだと思っている。多くの議論があろうが、このところの閉塞感の漂う日本国の唯一のよりどころというか心の安寧は、天皇制にあると確信するからである。以前ここでも述べたが、人にしろ国にしろ必要なのは垂直軸である。確りとしたぶれない縦軸こそが最後の頼みの綱である。神話時代から二千数百年、歴史時代に限っても千数百年、連綿と続いてきた天皇制こそがこの国の垂直軸である。それは世界でも類は無いし、我々の誇りである。
明治以降、戦前まで国家と神道が結びついて天皇制の解釈が曲解され不幸な状態が続いたが、その反動として終戦後皇室に関する議論はタブー視されてきた。この際、再度この天皇制について議論がなされることは良いことである。このまま現在の皇族対象者が22名のみということならば、早晩この国の天皇制の存在自体が危うくなることは明白である。後継者問題や女性宮家の創設問題は、早急に国民的議論として俎上に載せるべきである。